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家電業界紙「家電ニュース」
2008年4月5日号に掲載されました


街のでんきやさん「超零細店」の生き残り策のひとつ

 「大型量販店」がさらに「超大型店」へとなってきた昨今、今まで頑張ってきた「街の電気やさん」が段々と追い詰められ、その姿を消していきました。
かつての仲間が廃業、転業して業界から消えていくのも寂しいですが、「明日は我が身か」と思うと、寂しさがこみ上げて参ります。

私の店も10年前、時代の波について行けず、赤字続きの店をいつ廃業しようか悩んできました。
私だけのことなら、年齢的にもこのまま廃業しても仕方がないかな、とも思いました。しかし、息子を跡継ぎにと引っ張り込んだため、将来を考えると決断も鈍りました。

私が還暦を迎えた時、息子に『店を譲るから後は頑張ってくれ』と言いましたら、息子に『こんな儲からないちっぽけな店など、跡を継がないよ』と言われてしまいました。
当然のことだと思いながらも、私一代で終わることの寂しさ、不甲斐なさを感じました。
息子は、黙っている私に向かって『お父さん、もっと儲かる店にしようよ、こんな小さな借店舗ではなく、車が5〜6台置けるもっと大きな店にしよう。そして大型店と販売競争するのではなく、我が家が得意とするサービス専門店をやろう』と言い出したのです。

 その息子の言葉があって、家族で真剣に考えて、現在の「サービス専門店」が出来上がりました。
以前もサービスには力を入れ、それなりの評判をとって営業してきましたが、「販売」と「サービス」両方をやっていても厳しい状況なのに、「販売」を止めて「サービス」だけで経営が成り立つのか、それが一番の心配でした。

しかし、私には少しの自信はありました。
地元の「街の電気屋さん」が店を閉め、修理サービスの受け皿が少なくなって、困っている消費者が増えていることを肌で感じていたからです。

ある時、店の入り口のドアーを少し開け、頭だけを中に入れ『お宅で買ったものじゃないんだけど、修理をしてもらえますか?』と申し訳なさそうに言う客がいました。
私は、これじゃいけない、もっと堂々と修理を頼める店にしなくちゃと考え、息子と夜を徹して話し合いました。

「販売もしているから、買わないのに修理だけ頼めるのか?」という言葉が出てくる訳で、「修理サービス専門店」なら堂々と頼みに来てくれるのではないかと考えたのです。

修理品が持ち込みやすいように広い駐車場を持った店舗を作り、店の名前も誰が見ても「サービス専門店」であると分かる名前にして、広く宣伝をしました。

 果たしてお客が来てくれるか心配でしたが、オープン以来、半年間は日曜日も休めないほど、修理依頼者が来てくれました。

かつて販売店として営業していたときのエリアの10倍もの広さの遠方から、お客が来てくれました。
如何に修理サービスを待っていたお客が多かったのかと、驚いた次第でした。

 1年間の様子を見て、「サービス専門店」でやっていける自信を得た私は、かつての仲間の窮状を見て、私と同じように営業は下手だが修理技術なら一流という仲間に、私の体験を含めて、「サービス専門店」で十分やっていける事例を手紙で紹介しました。
それに応えてくれた仲間が、1年目に1店、2年目に2店と加わってくれ、10年たった現在は、当社を含めて5店でチェーン店という形で活動をしいます。

現在は、お客様の依頼で販売も行っていますが、量販店より高値であることを承知の上での販売ですからトラブルもありません。

 商品在庫が無いだけに資金繰りの苦労もなく、月末も頭を痛めることがありません。
地域事情もありますから、どの地区でも通用する事とは思えませんが、「超零細店」の生き残りの一つの形かと思っています。

でんきの修理やさんグループ 代表 飯島 節雄




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